【EXCEL】セルの式の参照先が変わらないようにコピーペーストする方法

2025年2月22日

式が入力されたセルをコピーして別のセルにペーストすると、式に含まれるセルの参照先も連動して変化します。(正確にはセル参照に絶対参照の$が付いていない場合です。)

下記の例だとE2セルに数式「=SUM(A2:D2)」が入力されていて、E2セルをコピーしてF2セルにペーストすると・・
1つ右のF2セルにコピーしたのでSUM関数で指していた範囲も右に1つずつずれて「=SUM(B2:E2)」となってしまいます。

通常は問題ないのですが、まれに元の式の参照先セルを変えずに貼り付けたい場合はどうしたらいいのでしょうか。

EXCELにはペーストする際は「形式を選択して貼り付け」と言う機能があり、書式だけ貼りつけたり、値だけ貼りつけたりと様々な選択肢がありますが、現状では式に含まれるセルの参照先を変えずに貼り付けることが出来ません。

EXCELには冒頭で述べたとおり式に含まれるセルの参照先を変えずに(元の参照先のままで)コピーするオプションがありません。
なのでコピーして貼り付ける場合は工夫して実現する必要があります。
方法はいろいろ考えられますのでいくつかの方法を下記に紹介します。

1.元の式を入力する際に絶対参照で入力する

あらかじめコピー&ペーストすることが想定される場合は式を入力する時点で絶対参照の形式で入力します。
つまり、「A1」セルを参照する場合は「$A$1」のようにペーストにより変わってほしくない行や列の前に$を付けます。
ちなみに絶対参照の形式にするショートカットキーは「F4キー」です。
これは式のセル参照の部分をクリックしてF4キーを押すと絶対参照に変わっていきます。
単一セルの参照の場合はセル参照箇所にカーソルがあればよくて、式の全て又はセル範囲の参照を選択状態にすることで早退参照、絶対参照が変化します。
先ほどの場合で言うと「A2:D2」の部分をドラッグして選択状態にしてF4キーを押すたびに「A2:D2」→「$A$2:$D$2」(行列共に固定)→「A$2:D$2」(行のみ固定)→「$A2:$D2」(列のみ固定)→「A2:D2」と変化していきます。
ここでF4キーを押すと絶対参照形式に変わります。
この絶対参照形式の状態だとコピー&ペーストすることで元の参照先が変わることなく貼り付けられます
E2セルの式をコピーして・・
F2セルにペーストしましたが元の選択範囲と変化しなかったことが分かります。
ただこの方法だと煩わしさがあるのは否めませんね。
ということで次の方法をお勧めします。

スポンサードサーチ

2.コピーする際にいったん式を文字列にする

コピーする式を文字列に変えてコピーペーストすることでセル参照が変化することを避けることが出来ます。
2とおりの方法を紹介します。

方法1 数式の=(イコール)を置換して文字列にしてからコピーしペースト後に再度=(イコール)に置換して数式に戻す

先頭の「=」(イコール)を違う文字にすることで式ではなくなります。
つまり「=」を別の文字(式に使わない文字であること。例えば#など)に文字列置換してコピーし、ペースト後に「=」に戻します。
① 式の入っているセルを選択しておく(複数セル可)
②「Ctrl-H」を押して「検索と置換」ダイヤログを表示させて「=」を「#」に置換します。
③式が下記のように「#SUM(A2:D2)」に変わったことがわかります。
この状態にすることで「E2」セルの表示は計算結果の表示から、置換され式だった記述が文字列で表示されるようになります。
つまり、単なる文字列として扱われたことが分かります。
④この置換後の「E2」セルをコピーして「F2」セルにペーストします。
⑤今度は「F2」にペーストした文字列を元の式に戻すため再度置換(「#」を「=」に戻す)します。
⑥これで元の式と同じセルの参照先でコピーが完了しました。

方法2 「区切り位置」の機能を使って数式の入っているセルの書式を「文字列」に変えてコピペする

①まず数式が入っているセルをまとめて選択します。
②「データ」→「区切り位置」を選択して「区切り位置」ウイザードを起動します。
③ウイザードが表示されたら、「次へ」をクリックしていき、ウイザードの3/3の画面で「文字列」にチェックをつけて「完了」をクリックします
【注意】「区切り位置」の設定は1列ずつしかできないので、それぞれの列ごとに設定してください。
(1)下記の状態で「次へ」をクリックします
(2)タブのみが選択された状態で「次へ」をクリック
(3)「文字列」にチェックを入れて「完了」をクリック
 
④すると選択した範囲が文字列に変換され式がそのまま表示される状態になります。
⑤この状態でコピー&ペーストします。
文字列として扱われるので式の参照先は変わらないままです。
⑥今度は文字列になっている式の書式を「文字列」形式から元の「標準」の形式に戻します。
まずはコピー元の式を「「標準」形式に戻します。
(1)下記の状態で「次へ」をクリックします
(2)タブのみが選択された状態で「次へ」をクリック
 
(3)「標準」にチェックを入れて「完了」をクリック
⑦コピー元の式が評価され式の結果が表示されるようになりました。
⑧同様にペーストした列も同様の手順で書式を「標準」形式に戻して完了です。
以上、式の含まれているセルをコピーして元の参照先セルを変えることなくペーストするための方法をいくつか紹介しました。
将来この機能が形式を選択して貼り付けるオプションに搭載されることを期待したいですね。


EXCELの便利ワザ

Posted by garnet